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Intersection ~幻想豪華絢爛~ サークル:子猫奪回屋 Number Track Name Arranger Lylics Vocal Original Works Original Tune Length 01 ことりのおうた Poppo Yoshienote fi-fy, 723, Mint, Riryka 東方紅魔郷 U.N.オーエンは彼女なのか? [03 50] 02 after the rain Poppo Yoshienote 723 & Riryka 東方風神録 ネイティブフェイス [03 12] 03 登仙演義 Poppo 黒岩サトシ fi-fy & 723 東方神霊廟 デザイアドライブ [03 36] 04 鬼の流儀 Poppo 黒岩サトシ Mint & Riryka 東方萃夢想 砕月 [03 01] 05 彩虹拳舞凛鈴 Poppo Yoshienote fi-fy & Mint 東方紅魔郷 上海紅茶館 ~ Chinese Tea [03 51] 06 遠き春、雪白の蝶 Poppo Yoshienote fi-fy, 723, Mint, Riryka 東方妖々夢 幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life [03 57] 詳細 博麗神社例大祭9(2012/05/27)にて頒布 イベント価格:700円 ショップ価格:1,050円(税込) レビュー 名前 コメント
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あなたとは違うんです(住んでる世界が) ◆SHdRN8Jh8U 「うむ…一体あやつらは何処に行ったのじゃろうか?」 剣崎やリン達と別れ、唯一人べジータ達を追った賀斉ではあるが、彼らが何処へと逃げたのかは全く分からなかった。 地図で言う端っこに当たる部分ではあるが施設も多くまた逃げる方向も沢山ある為何処に行ったのか分からず仕舞いである。 ましてやあのスピードで逃げられては、既にこの島から脱出している可能性もあった。 「この近くにあるのは…駅、寒村、温泉ぐらいか」 橋をとっくの昔に渡り終え、地図と睨めっこしながら歩く賀斉。 彼らが何処に逃げ、何処を捜索しようと悩む。 「しかし逃げるものが目立つ建物に逃げるとは思わんな」 普通逃走者が建物に逃げることは無い、なぜなら逃げ道が無くなるからだ。 ましてやあのスピードであればどっかに逃げるよりもっと離れた方が得策である。 そう思い、彼は地図をしまい、寒村近くの森の中へと入っていった。 「やはりそう簡単に見つかるものでもないか…」 寒村近くの森の中を調べて暫くの時間が経ったが、人の面影など何処にも無く少しがっかりする彼。 ここには居る可能性が少ないと思っていた彼だが、やはり早く見つけたいのだ。 森の中を抜けると、目の前には山が広がっている。 「このまま東へと逃げたかも知れんな…」 地図上では行き止まりになっているがもしかしたら道が続いているのかも知れない。 そう思いながら彼は更に山へと足を踏み入れたのだった。 「見事に何も無いな…」 山へと足を踏み入れた彼はその自分の判断をすぐ恨むことになった。 見事に何も無いどころか思ったよりも坂が急で鍛えている彼でもしんどくなる様なきつさだった。 彼らに会うためには、これぐらい我慢する彼。 どんどんどんどん山の上のほうへと行く彼。 汗を少しずつ出していくが、彼にとっては耐えれる範囲である。 人間ではあるが武将ゆえか、常人よりも早いスピードで山頂へとたどり着く。 山頂へとたどり着いた彼だが、行き止まりな上誰が居た痕跡も無い。 「何も無いな…む?あれは」 そう下を見る彼の目には下の寒村の方にいる小さい人影。 しまったと心の中で思うが、彼は顔には出さずすぐさま足を降りる方へと向け歩いた瞬間。 ズリッ! なんとも嫌な音を立てながら、彼は石で滑って転んでいた。 「うっ!」 足元に気を使っていなかったのか彼らしくも無い壮大な転び方をする。 暫く地に伏せていた彼だが、すっくと立ち上がり周りを見渡す。 「全くこれから気を付けなければな…ここは一体?」 先ほどと同じ山であるが全く違う光景に驚く彼。 さっきは寒村あり駅も小さいながら見えたものだが、今は大きな鉄の塊しか見えなかった。 第一山を下りる方向が違うのだ。 これは主催者が作った世界。 だから端のほうへ行っても、対称な端っこへと繋がっている。 これがからくりだった。 しかし遥か昔から来た彼はワープと言う単語すら知らなかった。 このような現象を見せられたところで、自分の頭がおかしくなったのかと思う事しか出来ない。 それに全く移動したと言う感じが微塵にも彼は感じていなかった。 だから彼はワープをしても気づかない、近くに禁止エリアがあっても… 「とりあえず山を降りるか、あの鉄の塊に向けて」 彼は頭を捻りながらも山を降りれば分かるだろうと思い、A-10RCLの方へと山を降りていった。 【A-5/一日目・昼/山】 【賀斉@101匹阿斗ちゃん】 【状態】肉体疲労(中) 【装備】MEIKOの剣@人柱アリス 【持物】基本医療品、基本食糧、包丁@現実 【思考・行動】 基本思考:仲間を増やして、ゲームを倒し、脱出する。 1、あの二人が悪者かを知る為、直ぐにでも追うが…一体ここは? 2、とりあえず大きな鉄の塊(A-10RCL)の方へ向かう。 3、剣崎に二人を任す。少年は信用ならないが、リン殿が居る限りは大丈夫だろう。多分。 4、翠星石のような娘が欲しい。 5、DIO殿…貴殿を信じて良いのですな? ※剣の花びらは視界を遮る恐れがあるようです ※賀斉はどこかの明治時代の人と違って普通に日本語が読めます。でも最近の物(携帯電話等)は分からないと思います。 ※Eー5からワープしましたがその事に気づいていません。 sm123 デパートでほぼイキかけたKAITOの御退散レース 時系列順 sm126 りょふだよ。たたかいもするけどこうさつもするよ sm123 デパートでほぼイキかけたKAITOの御退散レース 投下順 sm125 機動拳士リリカルさのすけ デバイスジェネレーション・ギャップ sm112 onemorechance 賀斉 sm147 賀斉神の巻き込まれてエリアワープ
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51 蜀郡 52 渤海郡 53 交趾郡 54 会稽郡 55 永昌郡 56 遼東郡 51 蜀郡 番号 クエスト 実行武将 部隊消費 経験値 獲得金銭 ドロップ指南書 ① 忽然と消えた兵糧 李厳 -32 +42 +482 ② 怪しい老人を追え 李恢 -33 +45 +432 ③ 監禁された左慈を見張れ 麋方 -33 +52 +416 ④ 500人の左慈を捕らえよ 廖化 -34 +68 +345 ⑤ 峨眉山の左慈を追い詰めろ 鮑三娘 -34 +72 +335 関索 ボス戦 鮑三娘 VS 左慈 仕官:黄月英 52 渤海郡 番号 クエスト 実行武将 部隊消費 経験値 獲得金銭 ドロップ指南書 ① 烏丸校尉・田予、危うし 曹彰 -33 +82 +124 ② 万里の長城を補修せよ 姜維 -34 +67 +211 ③ 決戦、万里の長城 姜維 -34 +96 +77 ④ 鮮卑の結束を乱せ 馬謖 -34 +85 +117 カン丘倹 ⑤ 怒りの歩度根、来援す 鮑三娘 -33 +93 +99 ⑥ 軻比能、最後の突撃 曹彰 -33 +91 +166 ボス戦 曹彰 VS 軻比能 仕官:成公英 53 交趾郡 番号 クエスト 実行武将 部隊消費 経験値 獲得金銭 ドロップ指南書 ① 士燮、平和を尊ぶ 諸葛瑾 -35 +71 +355 曹真 ② 呉巨、ことを荒立てる 程普 -35 +101 +127 鮑三娘 ③ 頼恭を追放せよ 韓当 -36 +96 +215 ④ 荒ぶる士徽 黄蓋 -35 +92 +214 王異 鄂煥 ⑤ 交州にたなびく叛旗 賀斉 -35 +93 +208 ⑥ 受け継がれる無双の武 馬雲リョク -35 +93 +208 ボス戦 馬雲リョク VS 呂玲綺 仕官:呂玲綺 54 会稽郡 番号 クエスト 実行武将 部隊消費 経験値 獲得金銭 ドロップ指南書 ① 追跡、厳白虎 賀斉 -36 +96 +221 ② 縄張りを突破せよ 賀斉 -37 +98 +223 ③ 密林の猛襲 賀斉 -35 +100 +104 ④ 急な停戦交渉 諸葛瑾 -35 +94 +213 ⑤ ちぐはぐな攻撃 賀斉 -36 +97 +220 ⑥ 誉れを汚した策謀 諸葛瑾 -36 +98 +214 ボス戦 諸葛瑾 VS 諸葛恪 仕官:諸葛恪 55 永昌郡 番号 クエスト 実行武将 部隊消費 経験値 獲得金銭 ドロップ指南書 ① 水神のたたり 李厳 -36 +72 +255 鄂煥 ② 49の生首 李厳 -35 +98 +102 鄂煥 ③ 南蛮博士、呂凱 馬謖 -36 +102 +105 ④ 饅頭作戦 馬謖 -36 +104 +146 鄂煥 ⑤ 火神の末裔、饅頭を好まず 関索 -37 +104 +100 鄂煥 劉禅 ボス戦 関索 VS 花鬘 仕官:花鬘 56 遼東郡 番号 クエスト 実行武将 部隊消費 経験値 獲得金銭 ドロップ指南書 ① 燕王、挙つ 満寵 -37 +104 +130 鮑三娘 王異 ② 遼東郡に急行せよ 呂玲綺 -38 +102 +244 劉禅 曹真 トウ忠 諸葛亮 田予 ③ 襄平城を水攻めせよ 馬謖 -38 +105 +127 ④ 司馬師の強襲をかわせ 曹彰 -39 +109 +144 曹真 ⑤ 司馬昭の包囲網を破れ 姜維 -39 +110 +130 劉禅 カン丘倹 諸葛誕 ⑥ 混元一気陣を破れ 諸葛亮 -40 +112 +130 王異 諸葛亮 諸葛誕 ボス戦 諸葛亮 VS 司馬懿(HP41344) 仕官 司馬懿
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さんしょくボディーガードつき、とまりちんタダのごうかホテル【3食ボディーガード付き、泊賃タダの豪華ホテル】[名詞] 刑務所の別称。 豪華装備を誇るが、ふつうのホテルとの決定的な違いは、自主的にチェックアウトできないこと。 チェックアウトする期日を決めるのは基本的に裁判所である。 「豪華ホテル」へとまりたいために犯罪をするバカも時々いるが、くれぐれも真似をしないように。
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キャラクター アイテム名 経過 馬岱 竹箒 馬岱 モンスターボール(ネイティオ) 馬岱→ときちく 呂布 イージス 呂布 斬馬刀 呂布→破壊 賀斉 翠星石 賀斉→越前→死亡 包丁 賀斉 MEIKOの剣 賀斉 木吉カズヤ 痛み跳ね返りミラー カズヤ→藤崎→破壊 ビリー・ヘリントン 強姦パウダー ビリー→ビリーC-3ホテルに放置&タケモト(半分ずつ) どこでもガス ビリー→消費 万葉丸 ビリー→ビリーC-3ホテルに放置&タケモト 赤さん ゼロの衣装セット 赤さん→フラン→D-4草原に放置 偽起爆リモコン 赤さん→テト→ゆっくり アレックス ジャギ様のバイク アレックス→アカギ→川底に放置 写真の束 アレックス→アカギ→D-4草原に放置 ルガール・バーンシュタイン 逆刃刀・真打 ルガール→羽入→アポロ→E-3砂漠に放置 ファイアーバードフォーム ルガール→美希→サンレッド→E-4南部に放置 七夜志貴 三国志大戦カード(UC董白) 七夜→ゆっくり→呂布 葉団扇 七夜→ゆっくり→呂布 緋想の剣 七夜→渚→ブロントさん→文 ブロリー 忍具セット(火薬玉、忘却玉) ブロリー→フラン→D-4草原に放置 不明支給品0~2 ブロリー→フラン→D-4草原に放置 べジータ パッチンロケット べジータ プレミアム会員専用首輪 べジータ→言葉→てゐ→D-4草原に放置 宝剣ギャラクシア べジータ→修造→F-5北部森林に放置 北条鉄平 タバコ一箱 鉄平→渚→ときちく ランダム支給品(渚の項を参照) 鉄平→渚 古手羽入 うまい棒セット 羽入→キョン子 セーブに使って良い帽子 羽入→フラン→D-4草原に放置 ヒテンミツルギ極意書 羽入→グラハム 志々雄真実 禁止エリア解除装置 志々雄→美鈴→フラン→D-4草原に放置 スタポカード刺しクリップ 志々雄→美鈴→E-5南部に放置 リボン 志々雄→美鈴→フラン→D-4草原に放置 相楽左之助 携帯電話 左之助→E-5平原に放置 スタープラチナのディスク 左之助→咲夜さん マッハキャリバー(+リボルバーナックル) 左之助→美希→美鈴→E-4南部に放置 城之内克也 回復食べ物セット 城之内→羽入→キョン子 射影機&予備07式フィルム 城之内→森乃進→フラン→D-4草原に放置 獏良了 光学迷彩スーツ バクラ コメント一覧 バクラ 千年リング バクラ ルイージ 首輪探知機 ルイージ→ときちく ジャージ ルイージ→ときちく→雪歩 ブロントさん 言葉のノコギリ(レザーソー) ブロントさん→グラハム→キョン子 ピョン太君 ブロントさん→渚→B-2住宅街に放置 ローゼン閣下 三国志大戦カード(SR馬超) ローゼン閣下→馬岱 銃 ローゼン閣下→馬岱→ときちく サンレッド ゴムゴムの実 サンレッド→美希→消費 新型萌えもんパッチ サンレッド→美希→おにぽん→E-4南部に放置 たこルカ サンレッド→死亡 DIO ライトセイバー DIO コンバット越前 痛PSP 越前→DIO 川田のバンダナ 越前→C-4病院内に放置 ブレイバックル 越前→剣崎→クラッシャー→KAITO→ブロリー→E-4南部に放置 剣崎一真 三国志大戦カード(Rホウ統) 剣崎→クラッシャー→KAITO ターボエンジン付きスケボー 剣崎→クラッシャー→KAITO→破壊 グラハム・エーカー ハネクリボー グラハム→大河→焼失 ホイールオブフォーチュン グラハム
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カリスマ株大変動 ◆wgfucd.0Rw (登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアルβ 仮面ライダー 吸血鬼 翠星石 「千何百年も前の中国の人や、ローゼンメイデンなんていう意志を持つ人形なんて……」 「私達の言う事が信じられないですかぁ!?」 「落ち着くのだ、翠星石。 だが、こちらとしてもそちらの言うクリムゾンなる物や仮面ライダーなる物は俄には信じ難い。 あまつさえ未来の倭国の住人とは……」 「まあ、実際ある物は信じないとなぁ、現に俺だって現物をこの目で見てなかったらクリムゾンなんて信じられなかっただろうし」 病院の待合室。そこには深刻そうな顔で話し合う剣崎と越前、そして賀斉と翠星石の4人がいた。 危険人物との遭遇を避ける為に南下した賀斉達と、医者である越前が万が一の為にと医療品の回収を提案した剣崎達は偶然にも病院前で遭遇したのだった。 お互い警戒こそしたが剣崎が真っ先に自分の武器を捨て、話し合おうと提案した為、特にこじれる事もなく手を組む事となった。 そして、消毒液や包帯などを回収し、お互いの出身や情報交換をしていた。 そこで剣崎と越前が驚いたのは賀斉が三国時代、日本で言う弥生時代辺りから来た人間という事であった。 だが、その事が4人にある確証を抱かせた。 自分達はそれぞれ別の世界から連れてこられたのでは? 剣崎と越前も、事前に互いが言っていたバトルファイトやKOT症候群等を相手が知らない事に疑問を持っていた。 だがそれぞれが別の世界から連れてこられたというのならば説明がつく。時代まで超えた賀斉が何よりの証拠だった。 「しかし、中央部にはそんな危険な奴が……、それにアンデッドのような怪物まで……」 今まで誰とも接触していなかった剣崎達は、賀斉の話す化け物とホテルの方角にいた危険人物の話しを聞いて顔を曇らせる。 賀斉の言う化け物という単語から、剣崎はここに呼ばれるまでに戦っていたアンデッドの存在を思い浮かべる。 優れた身体能力だけではなく様々な特殊能力を用い、剣崎達を苦しめた異形の怪物達。 タランチュラアンデッドの様に友好的なアンデッドもいたが、件の怪物はどうみても危険な存在である。 なににしろ、その化け物が剣崎にとって捨て置けない存在である事には変わりない。 剣崎が決意を固め口を開こうとしたその時だった。 病院の入り口に、タクシーが物凄いスピードで突っ込んできたのは。 黎明、DIOはタクシーに乗り、一人中心部を目指していた。ちなみに運転に邪魔だったので斉藤のマスクはしまっている。 ここで一つ読者の方々に思い出して欲しい。 このDIOという男。はたして車の運転ができるのであろうか? 第三部以降、プッチと会う為に外出する事もあったが、DIOは余程の事が無い限り館の外には出てこない、ある意味引きこもりの様な男である。 少なくとも免許証を持っていない事は確実であり、車に乗ったといっても他人に運転させていた。 そう、つまり今のDIOは数回だけ見た他人の運転の見様見真似でタクシーを運転しているのだった。 運転開始。 「ぬぅ……! ハンドルを回しているだけだというのに車が言う事を聞かん。 ええい! 何故ぐねぐね蛇行しながら走行するのだ!」 1時間後。 「フハハハハハハ! ハンドルは既に克服した! 後はこのまま最高速度で突っ切ってェーッ! ……何!? 急カーブだとう!? ま、まずい! 早く曲がらねば! ぬぅぅぅ! このままでは曲がりきれん! 衝突してしまう! ザ、ザ・ワールドォォォ!!!!」 5分後。 「さっきのは些か危なかった…。 だが! もはやこのDIOに油断は無い! ここから先は安全運転でゆっくりと中央部を目指すだけだ!」 かくしてなんだかんだで付け焼き刃な運転方法を会得したDIO。 運転して数分、幾分か余裕の出てきたDIOは退屈そうに欠伸を噛み殺していた。 「ふむ、安全運転というのも暇で仕方ないな。何か暇を潰せる物は……」 そんな彼の視界に映ったのは取り付けられているラジオのスイッチ。 何か曲が流れているかもしれないと気まぐれにDIOはラジオのスイッチを押した。 ♪シャバダディァットゥーラッタッタパラミヤ♪ ラジオから流れるのはカジノの曲を思わせる軽快なメロディー。 音楽が流れる事に驚いたDIOではあるが、目的であった暇潰しを見つけた事で、上機嫌に車を走らせ続けた。 数十分後 「♪ロイヤルストレートフラッシュ! YEAH♪」 どうやらこのラジオ、一定数の曲をループ再生しているだけのようであり、何回目かのロイヤルストレートフラッシュが流れた時には、DIOは既に歌詞を完全に覚えていた。 時を忘れてDIOは歌を歌いながらのドライブを満喫する。 そう、時が流れるのも、自分が吸血鬼である事も、忘れて……。 「見渡す限りの大草原、音楽を聞きながらながらまったりドライブ。 このDIOが堪能した事はなかった物だが……、なかなかいい物だな。 ……ん?」 ドライブを満喫していたDIOは不意に気づく、夜の闇が段々と白み始めて来た事に。 そう、明けない夜はない。段々と夜が明けていく。 吸血鬼の滅びる時間が一歩一歩確実に迫ってくる。 「……っ!! ま、まずい! 早く隠れる場所を……」 だがしかし、ここは大草原。周りに隠れる事ができそうな民家は一つもない。 DIOは自らの血の気が引いていく音を聞いた気がした。 「う、うおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおぉおおぉお!!!!!!」 生への渇望を雄叫びに込め、DIOはアクセルをフルスロットルにして駆け抜ける。 今まで修得した運転技術も頭から吹き飛び、ひたすらに隠れる場所を探す。 遠目にモールが見え始めるがそこに行くまでに日は出てしまう。 空の色は殆ど黒から青に変わってしまった。日が昇るまであと少し。 (ふざけるな!! この帝王DIOがこのようなところで……、こんな無様な死に方をする訳には……) 万事休す。焦るDIO。 そんな彼の視界に別の建物が目に入る。 白い外壁に赤の十字、病院である。 あそこならば、僅かな希望と共にDIOはタクシーを走らせる。 「間ぁぁぁぁにぃぃぃぃぃ合ぁぁぁぁぁえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 絶叫と共に、間一髪タクシーはドアを破壊しながら病院へと滑り込む。 DIOが後ろを振り返ると、日の光が辺りを照らし始めていた。 ほっと、一息着いてDIOが正面を見る。 目の前には柱。 ザ・ワールドを使う暇もなく。タクシーは柱に直撃し、停止した。 「い、いきなり、何ですぅ!?」 「翠星石、下がっておれ!」 「誰か乗っていたみたいだけど、一体……」 「中から来るぞ! 気をつけろ!」 突然の乱入車に越前達は即座に身構える。 全員の注意を一身に受けるタクシー。その扉が開いた。 そのタクシーから現れたのは、青いツナギを着、首に便座カバー、額と耳にハートをあしらったアクセサリーを装着した、やたらと濃い顔をした金髪の男。 ((((……うわぁ)))) その場にいるDIO以外の人間が一斉に引いた。 「……成る程、DIO殿は吸血鬼というだけで襲われた。 何とか退け、協力してくれる仲間を求めて車に乗っている最中に太陽が昇ってきたので、急いで車を走らせていたらここに突撃してきたと」 「……そういう事になる」 DIO加えて改めて情報交換を行う五人。 奇妙な格好で引かれたDIOは、真っ先に便座カバーを指摘され、顔を真っ赤にしながら床に叩き付けた。 吹き出す翠星石に対して怒鳴りつけるDIOという滑稽な光景が繰り広げられ、それが剣崎達の警戒心を緩める事になったのだった。 現状、剣崎達のDIOに対する認識は常識を知らない、あるいは便座カバーの無い時代から来た、危険ではない吸血鬼といった所である。 そしてDIOから新たにもたらされた危険人物の情報。その事に剣崎は憤った。 「何て奴だ……、吸血鬼だからって理由で人を殺そうとするなんて!」 「……君は化け物である私の言う事を信じるのかね?」 「当たり前ディス! 俺の戦ったアンデッドの中にだっていい人はいたんだ。 あなただってそうだと俺は思う。 ……そう、思いたい。」 剣崎の仲間である睦月を助ける為、自ら封印されたタランチュラアンデッドやタイガーアンデッド、そしてジョーカーアンデッドであり友人でもある相川始の姿が剣崎の脳裏に浮かぶ。 アンデッドであっても分かり合えた存在だっているのだ、ならばそれが吸血鬼に適用されない訳がない。それが剣崎の考えであった。 「いや、すまない。 何分因果な身の上だ。無条件で信じて貰うというのは虫が良く思えてしまってね」 フ、とDIOは口元に寂しげな笑顔を浮かべた。無論、内心目の前のお人好しにほくそ笑みながら。 タクシーが柱に衝突した後、DIOはタクシーから出る前に周囲にいる人物を確認した。 成人男性が三人にやけに小さい女が一人。更に女には首輪が着いていない事を確認し、その女をDIOは首輪を外したのか、あるいは主催者側の人間であると推察した。 前者ならば、外し方を聞き出す必要があり、後者であるならば、秘密裏に手を組むなり利用できる。 衝突の際に新たな傷を負い、手駒を欲していたDIOは、下手に殺害して回る事は下策と判断し、殺し合いには乗ってないと偽ったのだった。 (しかし、自立稼動する人形が支給品とはな) 情報交換の際に翠星石が支給品であるという事を聞かされ、DIOは少し落胆した。 だがその代わりに剣崎というお人好しを仲間に引き込む事が出来た事は大きかった。 剣崎は人外の者とも何人か親交があるらしく、無条件でDIOを信じてくれた。サンレッドに対して明確な敵意を持つというおまけつきだ。 ここで御しやすい手駒を得たのはDIOにとって僥倖と言えるだろう。 後は、ジョースター家の養子になった時の様に期が来るまで猫を被っていればいい。数年間の間ジョースター家を騙していたのだ。演技にはそれなりの自身がある。 実際、DIOの演じるいい人を見て、賀斉と越前も殆どDIOに対しての警戒を解いていた 「……俺、行きます。 怪物にしろ、危険人物にしろ、サンレッドという人物にしろこのまま放ってはおけません。 こうしている間にも誰かが襲われているかもしれない」 「待たれよ剣崎殿。貴殿一人で行くなど無謀がすぎるぞ!」 「だけど!」 一人病院から出ようとする剣崎を賀斉が止める、それに対して反論しようとした剣崎を越前が手で制した。 「まあ落ち着けって。計画もなしにがむしゃらに言った所でどうにかなる訳でもないぞぉ?」 「……私も越前君に賛成だな。 私の事で怒りを感じてくれるのはありがたいが、だからと言ってそれで君が危険な目に会っては私の立つ瀬が無い」 「そうですぅ、せめてちゃんと計画を立ててからにすべきですぅ!」 越前の意見に追従する形でDIOと翠星石で賛同する。 それに対して不満を顔に表しながら、剣崎は席に着いた。 「とりあえず、DIO殿が日中動けないという事も考慮して、この病院を拠点にしてはどうか? この施設の特性上、この殺し合いに乗っていない怪我人なども仲間に引き込めるかもしれぬ」 「問題はそういう怪我人を狙う為に、乗った参加者が来る危険性があるって事だなぁ」 「それに関しては問題ないだろう。 腐っても吸血鬼だ。そこらの人間には負けない自負もある」 「なら、病院待機組と退治組に別れる感じディスか? それなら俺はもちろん退治組ディス!」 「確かに現状戦闘能力が一番高いのは剣崎殿、ではもう一人は……」 「賀斉さんに頼んでもらってもいいかい? 銃が無いんじゃあ俺はあまり役に立ちそうにないからなぁ」 「……承知」 「あの~」 トントン拍子にチーム分けが決まって行く病院メンバー。 そんな中、不意に翠星石が恐る恐る手を挙げた。 「どうかしたか? 翠星石」 「私は、ここに残ってもいいですか?」 翠星石の発言に賀斉は目を丸くした。 「む、まぁ、それは構わんが……、何故だ?」 「その……、万が一の為の保険です! 翠星石は支給品扱いの上人形ですし、病院に何かあった時に抜け出して連絡しに行けるです。 だから……」 「……確かに、病院が禁止エリアにでもなって拠点を移す場合などの連絡役にもいいかもしれないな」 「駄目、ですか?」 些か名残惜しそうにしている賀斉ではあったが、翠星石が上目づかいに頼むのを見て、溜め息を一つ吐いた。 「そういうことならば仕方ないだろう。翠星石よ。しっかりやるのだぞ」 その言葉に、一瞬だけ嬉しそうな顔をする翠星石であったが、慌ててすぐにそっぽを向いて応える。 「あ、当たり前ですぅ! 私を誰だと思っているですか髭人間! 誇り高きローゼンメイデンが第3ドール、翠星石ですよ!」 「はっはっは、そうだったな」 話はまとまり、粉砕した病院のゲートの前、出発する剣崎達を越前達は見送る。 「それじゃあ夕方になったら必ず戻ってこい 剣崎、まだビーフンを奢ってもらってないんだからなぁ、死ぬんじゃないぞ!」 「君達が無事帰ってくるのを待っているよ」 「こっちはこの翠星石にどーんと任せておくですぅ!」 「皆さん、ありがとうございます。俺達、必ず生きて帰ってきますから」 「では参ろうか、剣崎殿」 守るべき人達を守るという意志を胸に二人の男達は病院を後にした。 【C-4 病院前/一日目 早朝】 【剣崎一真@仮面ライダー剣】 [状態]:健康 [装備]:ブレイバックル@仮面ライダー剣 [道具]:支給品一式、ブレイバックルの説明書、未確認支給品1~3(但し銃器類は無い)、医療品一式(包帯、消毒液など) [思考・状況] 1:このゲームを破滅へとミチ☆ビクッ! 2:コンバット越前と協力する。 3:賀斉と共にサンレッド、化け物(スプー)、ホテルの危険人物(ブロリー)を倒す。 4:夕方になったら病院に戻り越前達と合流 4:知人、友人と合流する。 5:民間人の保護。 6:ブレイバックルのお礼にクリムゾンを取り戻してあげたい。 7:主催者及び統制者に関係するものに注意。 8:ラウズアブゾーバーをできれば手に入れたい。 9:ブレイバックルをできれば元に戻したい。 ※備考 ブレイバックルの制限を理解しています。 感情が高ぶると、日本語が若干オンドゥル語ぎみになります。 先輩=橘さんは実は生きてますが、時間軸上死んでいると思っています。 【賀斉@101匹阿斗ちゃん】 [状態]:健康 [装備]:MEIKOの剣@人柱アリス [道具]:基本支給品、包丁@現実、医療品一式(包帯、消毒液など) [思考・状況] 1:主催を倒し、ゲームから脱出する。 2:仲間を増やす。 3:剣崎と共にサンレッド、化け物(スプー)、ホテルの危険人物(ブロリー)を倒す。 4:夕方になったら病院に戻り越前達と合流する。 5:翠星石のような娘が欲しい。 ※備考 剣からでる花びらは視界を遮る恐れがあるようです。 賀斉はどこかの明治時代の人と違って普通に日本語が読めるようです。 101のほうで普通に日本語をしゃべっているので。 でも新しいもの(携帯)などについては分からないはずです。 ……なんとかばれずに済んだみたいですぅ。 私、翠星石がここに残ったのには訳があるのです。 それはDIOとかいうあの男。 公苗達の前では猫を被っていたみたいですが、翠星石はそう簡単に騙されないですぅ。 猫被ってた水銀燈という姉がいるからよくわかるです。こいつは臭ぇーッ! ゲロ以下の臭いがプンプンするぜって奴ですぅ! 今の所、何もする気はない見たいですが、だからといって油断しちゃ駄目です。 お人好しな公苗達を守る為にもがんばるですぅ! ……うまく騙せたと思っていたが、一人騙されなかったか。 やれやれ、そうあからさまに警戒していては自分は騙されていません、疑っています。と言っているような物じゃないか。 切り札としてザ・ワールドについては一切説明していない。 始末などいつでもできるが、今ここで越前を殺しては、もう何時間かで流れる放送を聞き、奴らが戻ってきてしまう。 あの人形にしろ越前にしろどうするかは放送後、と言った所か。 特にあの人形はこちらを疑っている分、早急になんとかせねばなるまい。恨むなら、中途半端に良い自分の頭を恨む事だな。 ククク、この帝王DIO、このような場所で朽ちる気など毛頭ない。覚悟していろ、モンキーどもが!! 【C-4 病院1F待合室/1日目 早朝】 【コンバット越前(越前康介)@デスクリムゾン】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:支給品一式、翠星石@ローゼンメイデン、未確認支給品0~2(但し銃器の類は無い)、医療品一式(包帯、消毒液など) [思考・状況] 1:このゲームを破滅へとミチ☆ビクッ! 2:剣崎ブレイドと協力する。 3:知人、友人と合流する。 4:民間人の保護。 5:夕方まで病院で待機 6:クリムゾンを回収する。 7:主催者及び統制者に関係するものに注意。 8:この茶番にデスゾルトスは関わっているのかぁ? ※備考 あくまで原作準拠です。 ブレイバックル以外のランダム支給品は確認していません、次の書き手さんにおまかせします。 【DIO@MUGEN、ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]軽傷(自然治癒力によってマシになった)、去勢 [装備]ライトセイバー@外人が想像したとてつもない日本が出てくるゲーム(RedAlart3)、阿倍さんのツナギ@くそみそテクニック [道具]支給品一式、マスクザ斉藤のマスク@ニコニコRPG、便座カバー@現実、医療品一式(包帯、消毒液など) [思考・状況] 基本思考:殺し合いの参加者はもちろん、あの主催者どもも全て殺す。 1:放送が流れるまで殺しはやらない 2:翠星石を早急にどうにかする。 3:サンレッドを殺す、そのためなら手段は問わない。 ※備考 自身の能力が制限されている可能性を理解しました。 剣崎達にはザ・ワールドの存在を教えていません。 【翠星石@ローゼンメイデン】 [状態]健康 [思考・状況] 1:主催を倒しゲームから脱出するですぅ。 2:仲間を増やすですぅ。 3:DIOには最大限警戒ですぅ。 4:夕方まで公苗達を待つですぅ。 ※備考 賀斉と翠星石は短時間でとても仲良くなったので今後翠星石は賀斉を公苗と呼ぶことがあるかもです。 ※共通備考 病院の玄関ドアは完全に破壊されました。 病院に入ってすぐの柱に大破したタクシーがあります ラジオではニコニコ縁の曲が一定数ループしながら流されているようです。 sm70 Fujisaki.knows... 時系列順 sm72 デス様の殺人クラブ sm70 Fujisaki.knows... 投下順 sm72 デス様の殺人クラブ sm07 日本語でおk 剣崎一真 sm93 ニコニコβBR~ベジータ様が行く~ sm39 ツンデレストーリー 賀斉 sm93 ニコニコβBR~ベジータ様が行く~ sm07 日本語でおk コンバット越前 sm121 DIO様は本当に頭の良いお方 sm35 F線上の帝王 DIO sm121 DIO様は本当に頭の良いお方
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依頼主 ナビィ 出現条件 2013/3/18 18 30以降 クリア条件 3/21 12 00 までに 以下のモンスターを討伐する青いスサノオ・ソウル:4匹 成功報酬 豪華桜餅の盛り合わせもち米で作った餡子入りの餅を、塩漬けの桜の葉でくるんだものの盛り合わせ。春になると食べたくなる。親密度が2500も上がります! 依頼時 オオクニヌシ様の加勢をし、スセリヒメ様をお助けするため、青いスサノオ・ソウルを倒しにゆきましょう!! クリア時 青いスサノオ・ソウル討伐に協力してくださってありがとうございます!頑張ってくれたあなたに、豪華貢物を差し上げちゃいますね♪
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第三回目 2017年 1/8 20 00〜 システム:CoC シナリオ:豪華客船と怪盗団 配布元:ショタコンくらげ様 【シナリオについて】 戦闘の無いシナリオですが、場合によっては キャラロスト するシナリオです。 難易度は高め、推理が必要になってきます。 【キャラメイクの注意】 参加する皆さんには「怪盗団」になっていただきます。 舞台:現代日本 職業は「怪盗」、もしくはそれに準ずるもので作成してください。職業技能の内容は完全に自由とします。 推奨技能:精神分析、目星、怪盗の役に立ちそうなもの。技能ポイント数は90を上限とします。 所持品:あなた達は義賊です。持ち物に武器のたぐいを所持する事は禁止です。これは武器扱いになるか?と思う物はKPにご相談ください。 RP重視になります。できるだけキャラの口調で進める事を推奨します。 セッションに支障が出ない程度になら某動画の真似をしてもかまいません。 ※某動画 九話まで来てるのを確認。 八話までなら見てても全然OKかなーと思います。 九話は見ても良いけど見ない方が楽しめそうかな?くらい 【シナリオ概要】 みなさんは怪盗団です。仕事にありつけず、アジトの家賃も払えず、どうしたものかと困っていると……? PL PC ちょぼ 樽井 博 にぼし 伊東 藤 ネムヲ 鳴島のぶよ ふつき 怪盗ブルー
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準決勝戦【豪華客船】SSその2 「……造花」 花瓶の花に触れて呟いた言葉に、肯定の微笑みが返る。 「あの人が作ってくれたんです。もう、指も落ちてしまいましたけれど―― それでも、少しでも触れて楽しめる花のほうがいいだろうって」 「丁寧な造り。……器用な方なのですね」 庭師である満子には、それがクローバーの花である事が分かった。 しかしベッドに横たわる女性の両眼は、綺麗な白い包帯で覆われている。 花は彼女――白詰智広の名に因んだものか。 「――そして、優しいかた」 「そんな」 智広は、恥ずかしそうに笑う。 ……そうではないことを知っていた。 造花の造り主は“ケルベロス”ミツコの次の対戦相手、赤羽ハル。 白詰智広の後見人。 彼女にとって唯一の救いである赤羽ハルが、魔人暗殺者であると。 そして今まさに、公衆の慰みのために殺戮を繰り返していると―― そのような真実を告げる事など、探偵である末弟の『光吾』が許さないだろう。 「また、見舞いにお伺いしますわ。次は姉や弟とも一緒に」 「ありがとうございます。あの人の他に見舞いの人が来るなんて、本当に久しぶりで。 ……それだけで、嬉しくて」 白詰智広が“ケルベロス”の姿を見ることはない。 この距離で話す彼女の――満子の姿が実は、弟の光吾のそれだったとしても。 「……また伺います。また」 病室の扉を後ろ手に閉めて、『彼ら』は黙考した。 AD2019年に東京から広まった、未知の殺人ウィルス拡散――『パンデミック』。 生きながら光を失い、四肢すらも腐り落ちる白詰智広の症状は…… この形を持たない『世界の敵』が引き起こした悪夢の結末のひとつだ。 「殺さないのか」 待合室に差し掛かった時に響いた鋭い声が、彼らの思考を中断する。 顔を見ずとも、廊下脇のソファに座る男が何者であるかは、すぐに理解できた。 「……なあ。人質に取っておかなくていいのかよ? 二回戦みたいにさぁー……黒田武志を使って、あんたがやったんだろ? やれよ」 蛍光灯に伸びる影が、気怠げにソファから立ち上がる。 挑発に答えず、探偵として末弟が問う。 「――君こそ。敢えて『狙わせる』ために、会場に近い病院に彼女を移したんじゃないのか?」 「へぇ? 根拠は……なんだい」 視界の端でチャリ、と硬貨が鳴る。 「君の能力の調べはついている。負債を踏み倒すことができない制約。 白詰智広が『負債』そのものであるとすれば。自ら始末すれば、踏み倒す行為に当たる。 けれど例えば、あなたの故意ではなく。対戦相手に『始末してもらえば』……」 肩越しに振り向いた光吾の憎悪の瞳が、背後の赤羽ハルを射抜く。 距離8m。射程内だ――お互いに。 「なら……そうしろ。所詮殺人鬼なら、殺人鬼らしく。 善人ぶってンじゃあ、ねぇぞ」 「――お前こそ」 ミツコの眼の色が変わる。この距離ならば、長女。 「今ここで。殺る度胸はあんのかァー!? 『暗殺者』さんよォーッ!!」 蜜子は上体を低く構え、リュック内の各種調理兵装を意識する。 赤羽は、気怠げに片手をポケットに入れたままだ。それが臨戦態勢。 長い沈黙を経て、両者が武器を下ろす。 ミツコは、白詰智広を――この病院の患者の存在を思ったが故だ。 だが、相手はどうだったか? 「……僕の能力は、『世界の敵の敵』」 蜜子の現出で昂った感情を、抑えつけるように顔に手を当てて、光吾が呟く。 「主人公の魂の力を使って、悲劇を……理不尽を、改変することの出来る力」 「そうかい」 赤羽は既に歩き出していた。彼女の病室へと。 「――赤羽ハル。仮に君が望むのならば……」 「……」 彼は説得の途中で口を噤んだ。 くだらない――光吾自身がそう感じたからだ。 こんな言葉で止まる相手ではないと、探偵として十分に理解していたはずだ。 戦闘に及ぶ前に事を収めようとした今の行為は……自分自身の心の弱さの現れだ。 なぜなら、仮に戦えば。準決勝第二試合――豪華客船において、 “ケルベロス”ミツコと、赤羽ハルが、戦力を比較するのならば。 ミツコが勝利することは、決してない。 赤羽ハルの魔人能力は、『ミダス最後配当』。 魂を持たない……そして『価値のある』物体であるならば、接触のみで換金する。 光吾の探偵としてのスペックは既に、その制約までもを看破している。 ならば、能力を作用させる条件についてはどうか。 ――例えばその能力は、豪華客船そのものを換金できるだろうか? “ケルベロス”ミツコが多重人格魔人である事の、最大の利点。 無論ミツコ達自身は、それを自覚している。……自分達が何者であるのかを。 それは三重の人生を送った事による、異なる戦闘技能の蓄積ではない。 器は末弟『光吾』一人の肉体に過ぎず、その点では他の魔人と条件は同じだ。 経験の密度では赤羽ハルに、純粋な時間とノウハウでは偽原光義に、劣る程度のものだ。 彼らは自覚している。『3人いる』、まさにそれ自体が他の参加者に長ずる利点。 長女が直感し、次女が分析し、末弟が推理する……思考の量そのものであると。 地震のような重低音が、甲板に立つ光吾の靴裏を揺らした。 暗い海は水平線の輪郭すら夜に溶けて、客船の光の他に星の一つすら見えない。 戦場は、広大かつ入り組んだ豪華客船。 ありとあらゆる屋内環境においてトラップによる防衛を可能とする技術を備えながら、 “ケルベロス”ミツコが敢えてこの場で待つ理由があった。 (……赤羽ハルの『ミダス最後配当』は) 目を閉じ、両手に静かに垂らした糸から破壊振動を感知しながら―― 3人の中に潜む光吾は、静かに思考を巡らせる。 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 (地球を換金できるだろうか?) ――否。それが可能な魔人能力など存在し得ないし、存在したとしても、それを可能とする魔人能力者を生かす世界ではないだろう。 猪狩誠の異質極まる魔人能力も、『味方』を代償とする能力制約の変種に過ぎなかった。 ならば『ミダス最後配当』にも当然、他の物質変換能力同様、ひとつの条件が存在する。 (それは能力対象を、『ひとつの存在』として認識すること) 自分の立つ大地が地球であると知識で理解し……そう思い込もうとしても。 通常、人間は巨大すぎるオブジェクトをひとつの単位として『認識』できない。 それが認識を核とする魔人能力にとっての、壁となる。 ――この豪華客船も同様。全容を把握できるこの甲板からでなければ、換金はできない。 しかし“ケルベロス”ミツコの勝利を不可能とする理由の一つが、この戦術にある。 大会規定によるこのフィールドの戦闘領域は、『客船から周囲100メートル以内』。 ……だが。客船自体が消失したとすれば、ルール上何が起こるのだろうか? そこに戦場を規定するフラッグは、もはや何もない。 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 戦場消失によるノーゲーム。 いくら絶命寸前まで追い詰めたとしても、赤羽ハルが甲板に触れれば、それで終わり。 仮にミツコが船内で戦闘準備を進めていたとしても、話は同じだ。 赤羽の望むタイミングで、全てはすぐさま終了する。 故にミツコは、それをさせないために……甲板を見張る必要がある。 (すべてにおいて圧倒的なまでに、敵に有利な戦場。 ここまでは強いられた悪手。今この瞬間にも、赤羽ハルは『準備』している。 戦場を破壊して、僕の逃げ道を塞ぎ、客船内の装飾品をかき集め――そして) これまでとは性質を異にする振動と風が空気を吹き抜け、ミツコの髪を揺らした。 前方で爆発が起こっていた。 (そして、来る。……犯行の手口は、可燃物によるバックドラフト。紙幣は、燃えるか) 目を静かに開く。床に垂らされた幾条もの糸が、意識の力で張り詰める。 炎に長く照らされる影が、ミツコの正面で揺らめく。 赤羽ハル。 戦闘開始時から続いていた鈍い破壊音。船の沈没を狙ったものではないだろう。 この豪華客船はバラストを含めた各部が高度にユニット化されている。 たとえ真っ二つになったとしても、しばらくは沈没しない構造だ。 ……ならば、消火装置と隔壁の破壊。この火災と爆発を行き渡らせる事が狙いか。 何のために燃やした。何かがある。この至近距離に姿を現した事を含めて。 「……理不尽な事実ってさぁー、どこからどこまでが……理不尽なんだろうな?」 戦闘距離内に踏み込んでいる。にも関わらず、赤羽は語り続ける。 「俺は所属組織が潰れて、組織の借金を負った。6000億だ。 ……それが理不尽か? なら、その事実を消したとしたら…… 暗殺組織は潰れずに、今の瞬間も、人が殺されてるわけか?」 「皮肉のつもりか? それが」 「――あの猪狩には『家族』がいたらしいが……その事実を消したな? それもよりによって、第二回戦の試合中に。 ……ハハ! 随分面白い『世界の味方』だよ、お前」 「…………」 光吾の人格は、指先の糸を弾いた。“リリアン編み”の手芸者技能。 糸の先に接続された係留ワイヤーは一瞬にして解けて、 甲板に吊られていた全ての救命ボートを切り離す。 「主人公の力で世界を救う能力。いい能力だな? その力を、あのタイミングで? 恵まれない子供の運命だけを変えるために?」 、 、 、 、 、 、 、 、 、 「結局お前、自分が勝ちたかったんだろ? 世界のためだもんな?」 「幼稚な屁理屈」 既に変わっている。ゼロ距離。包丁。 「ご苦労、さんだなァ――!!」 首(ネック)。肩(トンビ)。胸(カルビ)。 最凶の好戦性と接近戦適性を持つ、長女蜜子の解体連撃。 人外の速度を誇るそれすらも、赤羽の鋭利な一万円札に全て切り払われる。 中華包丁と肉裂き鋏、右靴に仕込んだピックすらも。 日本銀行券――想定内。 機先を制し、一瞬相手の思考を近接戦に傾かせた事が、ミツコの狙いだ。 そしてミツコの風下に飛び退いた事が、赤羽の失策。 「よろしいのかしら? そんなところに立って」 「!」 殺虫ガスの噴霧。次女満子の殺意が、赤羽の足を止める。 如何に鍛え上げた魔人であろうとも、生命体としての化学反応は同様。 「――“手芸技”」 その怯みのうちに、仕留める。距離10m。光吾の切断糸の射程―― 「『巻き篝』」 光吾が地に手を突く。同時、甲板上に張り巡らせた斬糸罠が発動。 全周囲から赤羽ハルに絡み、巻き取るように寸断。 敵の動きを制限した一連の流れの中でのみ成立する……即死手芸技! (殺っ……) (――てない! まだ!!) 指先の糸を通じて違和感を触覚したその時には、遅い。 ミツコの眼前に、煌めく小さな何かが迫っていた。 バチチチチッと、肉が弾ける音がひどく近くで響いた。 莫大に膨れ上がった無数の硬貨散弾が、ミツコの肉体を撃ち抜いたのだ。 飛来物の視認すらままならなかったが、恐らくは指弾の要領で何らかの宝石類を撃ち出し、時間差で換金したのであろう。 ダメージに耐えて立つ僅かな時間で、既に光吾はそれを看破している。 「糸を武器に使うのは、まあ、悪い発想じゃない。 ……だが、肉と金属。切断部位の硬度を場所によって変えてやれば」 次の宝石を装填する赤羽ハルのジャケット内側から、ジャラジャラと硬貨が落ちる。 二回戦の経験を経て……紙幣だけでなく、硬貨をも仕込んだのか。 「一撃での切断が最も困難な得物でもある。……当然知ってるよな?」 「くすっ……まだまだ。勝ち誇る時間には早くはありませんこと?」 3つの精神容量を持つミツコに、揺さぶりによる動揺はあり得ない。 常に、最も精神的に安定した人格が制御権を行使する――次女、園芸部の満子。 奥歯に仕込んだ違法植物の種を砕き、傷口から伝わる痛みを一瞬にして消去。 「――無傷。」 「ハハッ、強がっちゃって。カワイーなぁー……」 撃ち込まれる銀の射線を避け、舞うように曲線的な走りで距離を詰める。 その一瞬は、他の2人の判断力を回復するに十分な時間だ。 (姉さん。毒ガスの効果は薄い。あいつがまず火災を起こした理由がわかった。 熱気による上昇気流……毒を吹き流す風だ) (――てェ事は、こいつが一番イヤがるのもミツコちゃんの戦法ってことだよなァー? 私に代われば、囮は上手くやれる) (分かりましたわ。けれどその前に、少し) そしてミツコの動きが、急激に変転する。曲線の回避から、回転しつつ跳躍! 野生(ワイルド)! 人格の切り替えによる思考方向の変化! 「ヒャッハァー! 取ったァ――ッ!」 交差した蜜子の両手には、無数の殺人武器! フォーク! ナイフ! 箸! スプーン! サーバー! マドラー! スポーク! 「頭上がお留守だぜッ! 満! 貫! 膳席!!」 「……くだらねぇことを」 飛来するカトラリーによるチェックメイトを見やり、赤羽は皮肉げに唇を釣り上げる。 その手には、札束。 「――『1,000,000』。」 投げ上げられた一万円札は、吹雪のように舞った。 空中の一枚を掴み、不可視の速度でナイフを叩き落とす。 返す手で次の一枚を掴み、フォークをも。 振り切ったその先の空間にも、紙幣が。 箸。スプーン。サーバー…… まるで、一撃で鈍った刃を次々と切り替え戦う剣士のように。 ミツコが飛び込むそこは、紙幣による斬撃の嵐が待ち構えていた。 「らッあああああああああ―――――ッ!!」 絶叫とともに蜜子の暗黒殺人料理、その技術のすべてが炸裂する。 無論、敵は本職の魔人暗殺者。札束舞うこの超至近距離では、尋常の技量の持ち主ならば互する事すら臨めない、が。 (『薬効』第二段階。神経加速がはじまりますわ、お姉さま)(神経の損傷部分はもう『編んで』ある。これで全力は出せるよ)(敵はプロ。無心でよろしくてよ。少しでもお姉さまが思考に手間取れば、終わります)(次は下から救い上げるように右手首へ。ガードが緩い場所は僕が見抜く)(麻薬効果の第三段階は3秒後。それまではお姉さまの体力で持ちこたえなさって)(リリアン斬糸は最初から甲板を取り囲んでいる。今の一瞬で発動した。手数は僕達が多い!) 連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。 札束と調理器具、そして隠し糸によるラッシュの応酬。 甲板には折れた包丁が、切断されたフライパンが、そして無数の紙幣が千切れて落ち…… 永遠とも思える数十秒の果て、赤羽の笑みも消える。 何故なら、その時。 (落ちきった)(……100枚の札束が落ちた)(残弾が切れる)(勝てる!) (お待ちになって、確か――)(そうだこの男、二回戦で……!) 一瞬の隙。蜜子の刺身包丁が赤羽ハルの鎖骨下動脈を精確に貫いた、その時。 ( 内蔵を) 負傷覚悟で動いた赤羽ハルは、その傷口から深く…… 深く、赤い肉塊を引きずり出していた。 不吉なそれが肉体から長く伸びて千切れて、紙幣に変わった。 ミツコの内臓が。 「――――ッ!!」 、 、 、 、 (内蔵を!)(盗まれた!!) 声もなく苦悶の叫びを上げる蜜子に代わり、光吾が判断を担う。 再び札束が宙を舞い、全てが終わったと……誰もがそう直感しただろう。 新たなる、致死の斬撃が迫り。 「死ねよ。主人公」 「……君がそうしろ」 それを振りぬく直前、赤羽ハルの立つ地が落ち窪んだ。 板が……彼の周囲だけ、狙ったかのように抜けた。 この瞬間だ。噴霧器はまだ生きている。至近距離からの殺人ガス散布。 「――ッ、ゴ、ハァァッ!」 「“造園術(ガーデニングアーツ)”! ……宿木による『腐食』。 お姉さまのカトラリーに……すべて、『種』を仕込んでましたわ!」 血を吐きながら叫ぶ満子。……早く。 「わ、悪ィ、が……こーいうところで、終わっちゃ、られねぇんだよ!」 赤羽が何かを、腐食の裂け目から落とした。 光沢から見て純金製。何らかの船内装飾に用いられた像か――そう、判断した瞬間。 重複するかのような、ゴバ、という金属音が船を満たした。 ミツコは赤羽の方向へとよろめき、無数の紙幣を握りこんだ斬撃に腹を貫かれた。 「っ……ぐぅぅ!!」 「ハハ……ハハハハハハ!」 、 、 、 、 、 、 、 、 一瞬、船そのものが傾いた。 裂け目を通って落ちた階下で、少なくとも数百万グラム以上の質量が、突如として出現したに違いなかった。 ……早く。 「……そちらは、風下!」 「甘ェ……よ」 殺人ガスが再び噴霧されると同時。 噴射口を狙って、赤羽の両指から硬貨が。 硬貨同士が宙で衝突し、火花が両者を爆発に巻き込む。 一瞬の煙が晴れた時には、既に2つのシルエットは打ち合っている。 鮮血と凶気を撒き散らしながら、両者のラッシュは絡みあうように続く。 連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。 連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。 連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃。連撃――――。 恐るべき拮抗を演ずる2人の思考は、そのとき奇しくも同調していた。 ……早く。早く。 、 、 、 、 、 、 、 早く、終わりが来てくれと。 「……かハッ、」 よろめいた赤羽ハルが、ついに甲板に手を突いた。 その、魔人能力――。 (……終わった) 既に生命力を絞り尽くしたミツコは…… 誰の思考とも言えぬ交じり合った認識で。虚ろに思った。 足元で豪華客船そのものが形を失って、崩れてゆくのを感じていた。 (僕らは全ての手札を見せてしまった。 ……勝負は、ついてしまった) (これで) 、 、 、 、 、 ( 僕らが勝つ。 ) ――『客船から周囲100メートル以内』。 大会規定によるその戦場範囲の指定は、果たして如何なる意味を持つルールなのか。 例えば戦闘の最中、客船が破壊されたとして…… その過程で客船の機能が失われたならば、それは『戦場』とは見做されないだろうか? そうではないはずだ。『どこまで破壊されれば客船ではないか』など、 運営本部を含めて、誰も判断できるものなどいないだろう。 フィールドを構成する部材は、最後の木材の一片まで、客船のままのはずだ。 常識的に考えるのならば、戦場がいくら破壊されようとも、 その時点で最も大きい体積の『破片』こそが……基準となるのだろう。 ミツコはこのルーリングについて、既に本部に確認を取っている。 この一点だけが、赤羽ハルの能力に対抗し得る『抜け穴』だからだ。 赤羽ハルは、この試合そのものをノーゲームにする事ができる。 そして、ある意味では『ノーリスク』であるこの戦闘において…… 赤羽はミツコの能力を、限界まで見極めようとするだろう。 勝てればそれで良し。仮に『引き分け』に持ち込まれたとしても…… この次の再試合において、ミツコの全ての能力に対策し、確実に殺害できる。 、 、 、 、 次がある。 相手がそう思い込んでいることが、唯一彼らが、付け込める隙――。 「……ひとつ」 「赤羽ハル。き、君の『ミダス最後配当』にも、明らかに分かる能力制約が、ひとつ、ある」 無数の紙幣が沈んでゆく海面に、ミツコは一人立っていた。 ……そう。立っている。 その足元には、海面に浮かぶ一枚の板。それは甲板を切り取った――巨大な、一枚の。 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 「触れていないものを換金することはできない。 元は、一つの……物品でも。切り離されたものは、ケホッ、すでに……別の物体」 ミツコは自身の腹の傷口を押さえて言った。 ――そう。魂持つ生物から、『内臓』を切り離すことができるように。 「最初から、甲板の一部を切り取って。僕の糸で、巻き取れるようにしていた」 「……君が客船を換金した時。それが終わりになるように」 「……」 見下ろす先には、赤羽が今にも沈みそうに、海面に浮かんでいた。 ……戦闘終了のアナウンスはない。『豪華客船』の構成部材は―― もはや板一枚とはいえ――確かに、ここに存在するからだ。 「……もう波に逆らう余力もないだろう。 海流はこの板から離れるように流れている。……これで、君の、負け。 そして」 ミツコは、一人の女性の顔を思った。冷酷な暗殺者、赤羽ハル。 それでも、彼女のことを思わずにここまで戦い抜けたはずがないのだから。 ……けれど、これで報われる。 勝たなければいけない。 僕は、世界の敵の、敵だ。 「……白詰智広もきっと、」 『参加選手の戦闘領域離脱を確認しました』 アナウンスが告げた。 『“ケルベロス”ミツコ選手は失格となります。 準決勝第二試合、勝者は――』 『赤羽ハル選手』 治療を終えて医務室を出ると、待合室のソファに座りこむ小さな影が見えた。 表面上は軽さを装ったまま、いつもの調子で声をかける。 「――よお。納得行かねえって顔だな?」 「……何が」 “ケルベロス”ミツコ。直接の戦闘でここまで食い下がった相手は、いつ以来だろうか。 だが、探偵にも殺人鬼にも、当事者でなければ分からないトリックというものはある。 「なにが、起こったんですか。あの時」 「なあ……ミツコ。お前の能力さ」 ソファの隣へと座る。 「世界が救えるなんて事が、どうして分かるんだ? 何の自信があってそんな事を言える? 主役の可能性。世界の敵。 ……どこかに根拠でもあるのか?」 「……」 「……だよな。戦って分かった。『自分が世界の理不尽を救ってやれる』なんて…… お前はそういう傲慢な人格じゃない。戦い方も分を弁えていた。 身の回りの奴らを。誰かを助けてやりたいとかさ…… そーいう、よくいるタイプの、良い奴だよ」 例えば、目の前の猪狩誠の存在で苦しむ、子供達の存在を。 あるいは――何も知らず赤羽ハルの身を案じる女性に、少しでも生きていて欲しいと。 ……ただ、そんなささやかな理不尽を。 ミツコは唇を噛んだ。 「それはお前の人格から出た魔人能力じゃあない……。 どうして、その本質も見えない能力に頼る気になった? 見えないものに頼っちゃあ、いけないわけだ」 「見えない――もの」 そうだ。あの戦場で。自分は何かが『見えていなかった』。だから、負けた。 領域のルール。あの板は、確かに豪華客船の甲板。 領域が破壊された時は、最も体積の大きな残骸が基準となる。 ……闇に包まれた海。火災。破壊音。風下。……客船は…… 「客船は――!」 ミツコは立ち上がった。あの戦闘のすべてが繋がった。 、 、 、 、 、 、 、 、 、 「赤羽……ハル……! 切り離していたんだな……! 遭遇より先に……客船、そのものを!!」 豪華客船はバラストを含めた各部が高度にユニット化されていた。 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 たとえ真っ二つになったとしても、しばらくは沈没しない構造だ。 甲板での遭遇より先に、やはり赤羽ハルは『準備』を終えていたのだ。 破壊のための貨幣の種は、客船内にいくらでも存在した。 まさにあの時、豪華客船は『真っ二つ』になっていた――! 「なぜ……戦術的に不利な風下に立ち続けたのか。 どうして、火災を起こしたのか……」 ミツコは一人呟き続ける。 「明るい炎と煙で覆い隠して、白兵距離の自分自身に注意を向けて……! 暗い夜の海で、切り離されて流れていく船を見せないために。 風向きはそのまま、海流の流れる向き……」 「船を換金する時。 切り離されて流れた船が戦場の『基準』となったその時―― 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 風上に立つ者の方が、先に領域を離脱する……!!」 そのために。そのためだけに、あんなにまで……限界まで戦い続けたというのか。 試合の最初に何かを仕込んだと、意識を向けないため、だけに。 残骸が100m流れる……その時間を稼ぐためだけに。 「そーいうこと。……自慢しちまって悪いな? 俺は、どうしても勝ちたいもんでね……こういう時でも、『勝ち誇りたい』のさ」 「……あんたは!」 そこから先は声にならなかった。そんな事のために。 ……そんな事のために、白詰智広の命を。 「言っただろ? ……俺は、見えないものは信じない。 忘れたか? 俺は殺し屋なんだよ……目的のために人を殺して当たり前の職業だ。 お前の言う『理不尽』とやらで何億人が死のうが、知ったことじゃない。 俺が信じるのは、金と」 ソファを立ち去る赤羽ハルの手から、ひらひらと一枚の紙が滑り落ちた。 何らかの文書の複写だった。 「……契約だけだ」 ミツコはその文面を読んだ。 ……読んでしまった。 「……以上、WL社との契約内容に基づき。 ザ・キングオブトワイライトにて……“ケルベロス”ミツコの勝利を阻止し。 ――魔人能力による、通称パンデミック事件の改変を阻止すること。 ほ……報酬は――」 「白詰智広の、治療――」 ミツコは、膝を突く自分を自覚した。 『約束』。『私を思って』。 クローバー――白詰草の花言葉を、彼らは知っているはずだった。 「赤……羽……!!」 「クッ……ハハハハハハハ!! ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 「赤羽……ハル……! お前……ッッ!! 赤羽! ……赤、羽ェェェェェェェッ!!!!」 遠ざかる高笑いに届かぬと分かっていても、ミツコは何度も叫んだ。 それが絶望なのか。悲しみなのか、自分ですら分からなかった。 ただ、全てが悔しかった。 ――赤羽ハルは、死ぬ気だ。 準決勝第二試合――勝者 赤羽ハル。 (了) このページのトップに戻る|トップページに戻る